高齢の方が暮らしやすくなる収納の工夫

年齢を重ねると、身体機能の衰えや生活の変化によって暮らしづらさを感じることがあります。慣れ親しんだ自宅で快適に過ごすためには、住まいの環境を整えることが大切です。特に、収納を工夫することで、探し物がすぐに見つかったり掃除がしやすくなったりと、より暮らしやすくなります

この記事では、高齢の方が暮らしやすくなる収納の工夫を紹介していきます。

 

高齢になると暮らしづらくなるのはなぜ?

加齢による筋肉の衰えや関節の拘縮などは、腕を上げたり、かがんだりする動作を難しくします

例えば、

・背の高い食器棚の上段にある食器を取り出す

・床に落ちたものを拾う

などの動作が、以前のようにスムーズに行えなくなります。

また、下肢筋力の低下によって、バランス感覚が衰えたり歩行が不安定になったりすると、家具の配置や物の出し入れがしにくくなり、生活範囲が狭まってしまうでしょう。

 このように、加齢による身体の変化によって日常生活の動作が制限されることになり、長年住み慣れた自宅内であっても暮らしづらさにつながることがあります。より安全で快適な生活を送るためにも、収納の仕方や動線を見直すことが大切です。

 

暮らしづらさを解消する収納の工夫

生活範囲が狭まることによる暮らしづらさを解消するにはどうすればよいのでしょうか?

ここでは、高齢の方が暮らしやすくなる収納の工夫を紹介します。

 

高いところの収納や床下収納は使わない

腰をかがめたり、高いところまで手を伸ばしたりする必要がないように、手が届く範囲に収納しましょう。また、床下収納は無理な姿勢で足腰に負担がかかり、高齢の方には向いていません。

 手が届く範囲の収納は、高いところから物が落ちてくる危険性や、床下で転倒する危険性の軽減にもつながります。

 

中の見える収納用品を使い、ラベリングをする

高齢になると、物忘れや視力の低下によりどこに何があるのかすぐに分からず、探し物に時間がかかってしまうことも。

そんな時に役立つのが、「見える収納」と「ラベリング」です。

 

・見える収納

収納ケースや引き出しなど、中身が見えるものや透明のケースを利用することで、一目でどこに何があるか分かりやすくなります。

 

・ラベリング

収納ケースや引き出しに、中身が分かるようにラベルを貼ることで、さらに探しやすくなります。「肌着」「靴下」「薬」など、分かりやすい言葉でラベルを付けたり、文字が読みにくい場合は、絵を使うのもおすすめです。

 

 見える収納によって、探し物の手間や分からないことへの不安を解消し、スムーズな生活を送れるようになるでしょう。

 

開け閉めしやすい収納用品に替える

手や指の力が弱まり、関節が硬くなると、これまで簡単に開け閉めできていた引き出しや扉も、重く感じたり、開け閉めがしにくくなったりすることがあります。開け閉めしにくい収納は、日常生活へのストレスや、怪我の原因にもつながる可能性があるため、以下のような無理なく開け閉めできる収納用品がおすすめです。

 

・プラスチック製などの軽い素材でできた収納ケース

・引っかかりがなく、スムーズに開け閉めできるもの

・力が入れやすく、指が掛けやすい大きめの取っ手やレバー式の取っ手がついているもの

・引っ張るだけで開け閉めできるスライドレール付きの引き出し

・どこに何があるか分かりやすいオープンシェルフ

・小分けにしやすい浅型の引き出し

 

コンパクトな生活

高齢になると、体力や気力が衰え、以前のようにたくさんの物を管理することが難しくなる場合があります。年齢とともに家の中の物を見直すことで、探し物が減ったり移動が楽になったり、掃除の時間の短縮にもつながるでしょう。

コンパクトな生活を送るための具体的な方法は以下のとおりです。

 

・使わないものは処分し、必要なものだけを手元に置くようにする

・床に物を置かないように収納方法を見直す

・使わない季節のものは、別の場所に収納し、処分も検討する

 

収納グッズを活用する

適切な収納グッズは、日常生活の不便さを解消し、より快適な生活を送るサポートツールです。以下のような収納グッズを検討してみてはいかがでしょうか。

 

・透明な収納ボックス:

小物を分類しやすく分かりやすい透明の収納ボックスがおすすめです。100円ショップでも様々な種類が販売されています。

 

 ・滑り止めシート

収納棚や引き出しの中に敷くことで、物が滑り落ちるのを防止できます。

 

 ・蓋のないカゴやケース

体温計や爪切り、ハンドクリームなど、よく使う身の回りの物やすぐに使いたい小物類は、カゴやケースにまとめて手の届く場所に置くと便利です。

 

収納の工夫でより快適で安全な暮らしを

住み慣れた自宅で安心して暮らすためには、単に物をしまうだけでなく、暮らしづらさを解消する収納の工夫が大切です

探し物のストレスや無理な姿勢で物を出し入れするなど、収納の不便さはストレスや事故の原因にもつながります。ライフスタイルや心身の状態に合わせて収納を見直すことで、快適でより安全な住環境の実現や、自分自身で身の回りのことを行うことができるなど、生活の質や自信の向上を目指せるでしょう。

 収納を工夫するだけで、毎日の生活がもっと快適になります。ぜひ、収納を見直すきっかけにしてみてください。