高齢者のいる家庭に木製家具を取り入れるメリット
高齢になると、どうしても家で過ごす時間が増えるものです。長い時間を過ごす空間が自分にとって心地よいことは、毎日の生活の質を高める上でも重要で、家具選びも1つのポイントになってくるでしょう。ご本人の暮らしのために家具を買い換える必要が出てきたら、自然素材のものを意識してみてはいかがでしょうか。ここでは、木製家具を取り入れるメリットについて、ご紹介します。
木製家具がもたらす健康への作用とは
木製の家具は、精神の健康にメリットをもたらすと考えられています。木の温もりや美しさ、そして匂いは、気持ちを安らかにしてストレスの緩和につながると言われています。森の中や木々に囲まれた公園に行くと、何となく気分が晴れるような経験をしたことがある人は、その効果を実感しやすいかもしれませんね。
高齢により、体を動かすことが難しくなり、座ったり横になったりして過ごす時間が増えたとしたら、温かみを感じるものが良いでしょう。金属やプラスチックにもそれぞれの良さがありますが、比較的大きくてメインとなる家具にはぜひ木製のものを選んでみてはいかがでしょうか。
木材の良さが再認識されている
最近、新しく建てられる学校の校舎は、木造が増えているようです。木の温もりに包まれる空間は子どもの心身の健康にも良い効果をもたらします。そして遮音性や吸音性といった木材の性質も学校に適しているようです。改めて、木の良さが再認識されていると考えられます。
木製家具のメリット
木製の家具には、精神面での良い効果以外にもメリットがたくさんあります。様々な素材が活用できる現代においても、なぜ木製の家具が人気なのか、その理由を見てみましょう。
① 軽くて強い
木材は、軽くて強いという家具にとってベストな性質を持っています。木材と鉄をそれぞれ利用して、同じ家具を、同じ強度で作った場合、明らかに鉄の家具の方が重くなってしまいます。家具の大きさや耐久性のレベルによっては木製の家具でも重くなることは珍しくありませんが、それでも鉄で作った場合よりはるかに軽くて済むということです。
家具は、必要に応じて移動することも珍しくありません。一人あるいは複数人で持ち運べる程度でなければ不便です。特に、高齢者のいる家庭では、高齢者の動線によって家具を配置したり移動したりする必要も出てくるでしょう。本人が安全かつ快適に過ごす上で、とても重要なポイントになります。
② 耐久性が高い
長年にわたり使い続けられている木製家具はとても多く、使っていくにつれ、色味の変化も出てきてより味わいが増していきます。
③ 夏は涼しく、冬は温かく
木材は熱容量が小さいため、夏は涼しく冬は温かみを感じやすい素材です。こうした特徴は、居心地の良さにもつながる重要なポイントになります。木製家具がもたらしてくれる精神面への良い影響にもつながる部分ですが、毎日触れるものが心地良いことは安らぎをもたらしてくれるでしょう。
④ 消臭・脱臭効果、抗菌作用
木には、消臭・脱臭効果や抗菌作用もあるとされています。高齢者施設などで木がよく用いられるのは、こうしたメリットも兼ね備えているからです。長く生活をしている空間は、生活臭や体臭などのにおいで嫌な気持ちになることも珍しくありません。木は、部屋の空気を心地よくする上でも役立つということです。
⑤ 修復やリメイクがしやすい
木製家具なら、もし破損してしまった場合でも一般的な工具で修理をすることが可能です。例えば、椅子やテーブルの脚が外れてしまっても、ボルトを締め直したり釘や接着剤で固定したりして直すことができます。木製の家具なら、家庭にある工具や学校で習った技術の知識だけで対処できる部分も多いというメリットがあります。
⑥ オーダーメイドしやすい
木材は、サイズやデザイン、素材をカスタマイズでき、加工しやすいのが特長です。高齢者の家具選びは特に重要で、椅子やテーブルの高さが体に合っているかどうかで、動きやすさや居心地の良さ、食事のしやすさ等が大きく変わってくるほど、生活に影響を及ぼします。
既存の家具の中に適したものがなければオーダーメイドも一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
居心地の良い空間のために自然素材を活用しよう
木製家具や木を使った内装は、高齢者施設や医療施設でもよく活用されています。木がもたらしてくれる健康への良い作用や、家具として活用するメリットを知ると、毎日の暮らしの中に取り入れたくなりますね。ご高齢の方の住まいでも、家具の買い換え時や環境の見直し時には、ぜひ木製家具を取り入れるなど自然素材の活用を考えてみてはいかがでしょうか。