高齢者の立ち座りをサポート! 回転椅子のメリットと注意点
年齢を重ねると、肘や腰、関節などに痛みが生じる、バランスを崩しそうになるなどといった症状が現れやすくなります。そういった要因から、普段の何気ない動作が負担に感じてきた・・・という方もおられるのではないでしょうか。
この記事では、「座る」「立つ」という日常的な動作をスムーズにしてくれる「回転椅子」を使用するメリットと、その際の注意点についてご紹介します。
高齢者にとって「回転椅子」がもたらす5つのメリット
高齢の方にとって「回転椅子」のメリットは、主に以下の5つが挙げられます。
立ち座りが楽に
普通の椅子は、一度後ろに引いてから立ち上がらないといけません。しかし、回転椅子なら「よいしょ」と勢いをつけて体をひねったり、膝に負担をかけたりすることなく、座ったまま体の向きを変えて、スッと立つことができます。
体の向きを変える際にバランスを崩しにくくなるので、体への負担や転倒のリスクを軽減できるメリットがあります。
介助する側の負担も軽減
介助が必要な方の食事のとき、椅子を動かさずに体の向きを変えられるので、無理な姿勢にならずに済むメリットもあります。
また、介助者にとっても体を無理にひねったり、持ち上げたりする必要がなくなるので、腰や腕への負担がぐんと軽減されます。お互いに楽な姿勢で向き合うことができ、自然とコミュニケーションもしやすくなるでしょう。
狭い部屋でも活躍
「椅子を引いたり戻したりするスペースがない」とお部屋が狭い場合でも、回転椅子ならその場で方向転換できます。部屋も広く使えて、限られた空間でもゆとりを感じる暮らしを過ごせるでしょう。
自分のペースで立ち座りできる
回転椅子は、通常の椅子のように体を大きくひねらず、座ったまま座面を回転させることができます。
座面を回して、足元をしっかりと床につけたまま立ち上がれるため、バランスを崩す心配がぐっと減ることがメリットです。
介助が必要な方でも、
・椅子をずらしてもらう
・移乗しやすいスペースに移動するために介助してもらう
といった動作が減り、手間なく安全に行える可能性が高くなるでしょう。
床が傷つきにくく音も少ない
フローリングに椅子を引きずると音も傷も気になりますが、回転椅子はほとんど動かさずに使えるので、床面の傷や摩耗を防いでくれます。
椅子をずらすときの音も軽減されるので、暮らしの中での生活音を抑え、階下の方への配慮もできるようになります。
回転椅子を使う上での注意点と対策
回転椅子は動作を楽にしてくれるアイテムですが、使用する際に注意点があります。ここでは、回転椅子の注意点とその対策についてみていきましょう。
転倒に注意!
立ち上がろうとした時に椅子が回転して不安定になる場合があります。特に足腰に不安がある方にとっては、バランスを崩す原因にもなるため注意が必要です。 回りすぎたりバランスを崩したりしやすい場合は、回転を固定できるロック付きの椅子(Care-111-RACなど)がおすすめです。
また、立ち上がる際に椅子本体が動いてしまうのが心配な場合は、キャスターが付いていないタイプやキャスターにロックがついているタイプを選びましょう。
床との相性チェック
フローリングなど滑りやすい床材の場合は、椅子が滑ってしまうこともありますので、滑りやすいときは、椅子の下に滑り止めマットを敷くのがおすすめです。足元が安定していることで、安心して立ち座りが行えるでしょう。
最初は違和感があるかも
今まで固定タイプの椅子に慣れていると、動く椅子は怖いと感じる方もいらっしゃいます。
椅子の動きに慣れるまで少し時間がかかったり不安になったりすることもあるかもしれません。まずは、椅子の動きになれるまでご家族や介助者の方と一緒に、ゆっくり回転させる練習から始めてみましょう。ご自身のペースで、少しずつ回転の動作に慣れていくことが大切です。
姿勢に注意
回転により、無意識のうちに体がねじれたり、猫背になってしまったりすることもあります。
必要であれば、姿勢サポートクッションなどを併用して、正しい姿勢をキープして座ることが大切です。また、座面に滑り止め加工がされている椅子を選ぶことで、座っているときに体のズレを防ぎ、正しい姿勢を保ちやすくなります。
回転椅子を上手く活用して、より快適な生活へ
くつろいでテレビを見たり、食事をしたり、趣味や作業をしたり…日々の暮らしの中で多くの時間を椅子の上で過ごしています。座るだけでも体に負担がかかるのなら、少しでも楽に、安心して過ごせる環境を作ってあげたいものです。
もし、立ち座りがしんどくなってきたようでしたら、ぜひ「体に寄り添ってくれる椅子」を検討してみてはいかがでしょうか。今回ご紹介した「回転椅子」は、高齢の方の生活の質を向上させるだけでなく、介助者の負担も軽減してくれる、暮らしを変えるアイテムのひとつです。
ぜひ、ご自身の暮らしに合う椅子を見つけて、より豊かな毎日を過ごしていきましょう。