高齢の方が使いやすい家具の選び方と配置のコツ

ご高齢の方にとって、使いやすい家具を選ぶことは生活の質を高めるポイントの1つです。また、家具選びだけでなく配置に工夫をすることも、毎日を楽しく快適に暮らす上で重要です。

ここでは、高齢の方にとって優しい家具とはどのようなものなのか、配置の工夫もあわせてご紹介します。 

 

高齢者に優しい家具選びで見ておきたいポイント

高齢者が使う家具を選ぶ際は、以下のポイントを押さえておきましょう。 

角が丸くなっている

タンスやテーブルなどの角は、ふらついてぶつかった時にケガのもととなりやすいです。できるだけ、丸みを帯びたものを選びましょう

とがったものより、丸みのあるものの方が優しい印象をもつ方も多く、落ち着ける空間づくりという観点からも大切なポイントとなります。

 

安定感がある

高齢になると足腰の力が弱くなり、家具を支えにして歩行の助けにしたり、立ち座りの際に掴まったりすることも多くなります

すぐにバランスが崩れてしまうような家具を掴んでしまうと、それによってバランスが崩れ転倒してしまう可能性も出てきます。特に、屋内での動線をみた時に、つい触りがちな場所にある家具や、毎日使う椅子やテーブルは、安定感のあるものがおすすめです。

 

機能的である

収納スペースが広い、高さの調節ができるなど、機能面で優れている家具は多くの方のニーズにマッチしやすくなります。同じ種類の家具でも、さまざまな機能性をもったものを見比べて選んでみてはいかがでしょうか。

 

使いやすい

家具は、使いやすいかどうかも重要です。ここで大切なのは、高齢者自身が使いやすいかどうか、という視点です。若い世代の人と、高齢者とでは、使いやすさのポイントが違ってくることも多々あるため、ご本人の希望を一番に考慮してあげましょう

たとえば、操作がしやすい、ものによっては軽量で動かしやすい、色々な場面で使いやすいなどが挙げられます。長時間椅子に座って過ごすことが多い方なら、リクライニング機能があった方が喜ばれやすいように、人それぞれの生活や状態に合うものがおすすめです。

 

季節に合う、趣味に合う、馴染みがある

家具は、季節に合う色や素材を選ぶことで、快適性を高めやすくなります。また、ご本人の趣味に合うものを選ぶことも、優しさにつながるのではないでしょうか。

最新のものよりも古くから変わらないような馴染みのあるものの方が落ち着くという意見もあります。高齢の方が使用する家具を選ぶ際は、若い人の感性や趣味を押し付けないように注意することも大切です

 

家具を配置する際のポイント

家具は、ベストな位置に配置することで、より使いやすくなります。高齢の方がより快適に使えるよう、家具の配置や配置時のポイントも押さえておきましょう。

 

安全性を高める

立ち座りや歩行時などに触る機会のある家具は、滑り止めマットを敷いて安定させると良いでしょう。滑り止めマットは、100円ショップなどでも販売されているため、早速取り入れてみましょう。

 

動線を確保する

家具の配置は、高齢者の動きを妨げないように配置しましょう。通路は広くとること、跨いだり避けたりしなくても良いようにすることが大切です。 

 

使いやすい場所に置く

いつも使うリモコンはベッドや椅子のそばのテーブルに置けるようにするなど、よく使うアイテムを手の届く範囲に設置できるよう工夫しましょう。自室だけでなく、リビングやダイニングでのご本人の居場所までの動線も考えて、できるだけ移動しやすい場所に家具を置くと安全性も高まります

 

本人がリラックスできる空間をつくる

気持ちの良い空気が入る場所、外の景色が眺めやすい場所などに、本人がリラックスできるような空間をつくるのもおすすめです。

安楽な姿勢でくつろげる椅子を置く、ご本人のお気に入りの本が収納できる棚を置くなどして、お気に入りスペースとなるよう工夫してみてはいかがでしょうか。照明の明るさや、自然光による明るさなども考慮して、目にも優しい環境を整えましょう。

 

家族との団らんが楽しくなる位置を考える

できるだけ家族と過ごす時間が楽しめるように、リビングやダイニングに置くテーブルと椅子の配置を考えることも、高齢者にとっての優しい環境をつくることにつながります。家族全員の顔がよく見えるように、ソファや椅子を円形に配置するのも1つの方法です。

 

高齢者に優しい家具選びと配置の工夫は生活の質を高める

今回は、高齢の方にとって使いやすい家具を選ぶ際に押さえるべきポイントと配置についてご紹介しました。長年にわたり同じ家具を同じ配置で使うことを好む方もいますが、変化しうる状態に合わせてより快適に過ごせるように工夫していくことも大事です。
今使っている家具やその配置を見直して、もし改善できそうな部分があれば、ご本人と相談しながら変えていってみてはいかがでしょうか。