在宅介護の「におい」問題|住環境でできる対策は?
在宅介護を続けていると、意外と気になるのが「におい」の悩みです。毎日同じ空間で過ごしていると慣れてしまうこともありますが、ふとした瞬間に気になることがあります。
「部屋に入ると少しにおう気がする」
「窓を開けてもにおいが残っている」
「来客時に気になってしまう」
においの悩みはデリケートです。介護を受ける方にとっても、介護するご家族にとっても、気持ちよく過ごしたいものですよね。もちろん消臭剤や芳香剤を使う方法もありますが、においがこもりにくい住環境を整えることも、日々の負担を軽くするポイントのひとつです。
今回は、在宅介護で起こりやすいにおいの原因と、家具や住環境でできる対策についてご紹介します。
在宅介護で発生しやすい「介護のにおい」とは?
介護中のにおいは、ひとつの原因だけで起きているわけではありません。さまざまなにおいが重なって気になるにおいにつながっている可能性の方が高いです。代表的なのは、次のようなにおいです。
排泄によるにおい
おむつ交換やポータブルトイレの使用時は、どうしても排泄臭が発生します。特に寒い時期や、エアコン中心で過ごす季節は、換気が十分でなくにおいがこもりやすくなり、空間に残ってしまいやすいです。
体臭・加齢臭

長時間ベッドや椅子で過ごすことが増えると、汗や皮脂が少しずつ寝具や椅子に残りやすくなります。特に季節の変わり目や夏場は汗をかきやすく、「洗っても何となく気になる」と感じることもあります。
口臭や食事のにおい
口腔ケアが難しくなると口臭が強まることもあります。また、やわらかい食事や介護食のにおいが室内に残ることもあります。
さらに、寝具・衣類・家具などに少しずつにおいが蓄積すると、複数のにおいが混ざり合い、いわゆる「介護臭」と呼ばれる状態につながっていきます。だからこそ、消臭だけではなく、“においをため込みにくい環境づくり”が大切なのです。
においをつけにくい家具素材を選ぶことも大切
意外と見落としがちなのが、毎日使っている家具です。椅子やテーブルは常に触れるものだからこそ、少しずつ汚れやにおいを吸収してしまうことがあります。
布張りの椅子はにおいを吸いやすい
ファブリック素材の椅子は座り心地が良い反面、湿気やにおいを吸着しやすい特徴があります。飲みこぼしや汗、排泄ケア時のにおいなどが少しずつ染み込み、においの原因になることも。ちゃんと掃除しているのににおいが気になるというときは、素材が原因になっている可能性があります。
お手入れしやすい素材を選ぶ

介護用家具では、拭き取りやすい素材を選ぶことで、清潔を保ちやすくなります。たとえばPVC(合皮)素材のチェアは水拭きしやすく、日々のお手入れも比較的ラク。除菌シートなども使いやすいので、「掃除の負担を少し減らしたい」という方には向いています。
「ささえて」のCareシリーズのチェアも、PVC素材を採用しており、次亜塩素酸での拭き取りにも対応しています。また、天然木フレームの家具は、におい移りが比較的少なく、空間にも自然になじみやすい魅力があります。
家具の配置や換気の工夫で、においの広がりを防ぐ
におい対策というと消臭グッズを思い浮かべがちですが、家具の置き方や部屋の使い方を工夫するだけでも、変化が感じられるでしょう。
風の通り道をつくる
実際、におい対策で大きいのは換気です。窓を一か所だけ開けるより、対角線上の窓やドアを少し開けた方が、風が通りやすくなることがあります。また、家具を壁にぴったり付けすぎると空気が滞留しやすくなるため、少し隙間をつくるのもポイントです。
ポータブルトイレの置き場所を見直す
ベッド近くに設置する必要がある場合でも、できれば風が流れる位置を意識すると、においがこもりにくくなります。換気扇や窓から遠すぎる場所は避け、動線とのバランスを見ながら配置すると安心です。
食事と排泄ケアの空間を分ける
難しい場合もありますが、可能であれば食事スペースと排泄ケアを行う場所を少し分けるだけでも、心理的な負担が軽くなることがあります。「食べる場所は気持ちよく過ごしたい」という思いは、介護を受ける方にも共通するものです。
毎日の小さなお手入れが、においの蓄積を防ぐ

においは、急に強くなるというよりも、少しずつ積み重なっていくことが多いです。だからこそ、大がかりな掃除よりも、
・食後にテーブルを拭く
・寝る前に椅子の肘掛けを軽く拭く
など「ついでのひと拭き」という日々の簡単なお手入れが大切です。必要に応じて次亜塩素酸系の除菌剤を使えば、衛生面の安心感にもつながるでしょう。
防水性・耐汚染性に優れたテーブルなら、食べこぼしや水滴も拭き取りやすく、毎日の掃除の負担を減らせます。たとえばTS1テーブルシリーズは、ラバーウッド材にウレタン塗装が施されており、日常使いのしやすさも魅力です。
また、軽量な椅子なら持ち上げやすく、掃除もしやすくなります。Care-112-ACチェアなどのように、約5.5kgと軽量なタイプは掃除しやすく、毎日の小さな手間を減らしてくれる存在になります。
在宅介護のにおい対策は住環境から

在宅介護のにおい問題は、どうしても避けきれない部分があるため「完璧に対策しよう」とすると負担に感じてしまうことがあります。また、介護中は気持ちにも余裕がなく、においが気になり始めると余計に疲れてしまうことも…
大切なのは、「においが発生しにくい」「残りにくい」環境を整えることです。
・家具の素材を見直してみる
・空気の通り道を少し意識する
・毎日の掃除を無理のない範囲で続けてみる
そんな小さな工夫の積み重ねが、暮らしやすさにつながっていきます。
介護する方も、介護を受ける方も、毎日を少しでも心地よく過ごせるように。住環境を整えることも、やさしい介護のひとつかもしれません。
