高齢の家族の自宅復帰、何を準備する?

入院していた高齢の家族が退院すると決まったとき、ほっと安心する一方で、

「家で今まで通り生活できるだろうか」

「何を準備しておけばいいんだろう」

と不安になるご家族も多いのではないでしょうか。

特に気をつけたいのが、「退院=元通り」ではないということ。入院生活の影響で筋力や体力が落ち、以前できていた動作が難しくなることもあります。だからこそ、退院前に住環境を見直しておくことが大切です。

今回は、高齢のご家族が安心して自宅に戻れるように、退院前に確認しておきたい住環境や家具選びのポイントをご紹介します。

 

退院後の身体は、入院前とは少し違うことがある

入院中は、どうしてもベッドで過ごす時間が長くなります。そのため、たとえ数週間の入院でも、足腰の筋力やバランス能力が落ちてしまうことがあります。「病院では歩けていたから大丈夫」と思っていても、自宅では環境が違うため、戸惑う場面が出てくることも。たとえば、

椅子から立ち上がれない

家の段差につまずく

トイレまで歩くだけで疲れる

といった変化が起こるケースがあります。

だからこそ、「入院前と同じ部屋のまま迎え入れる」のではなく、今の身体の状態に合わせた準備が重要です。

 

退院前にチェックしたい住環境のポイント

退院後の生活をイメージしながら、家の中を一度見直してみましょう。

椅子やベッドの高さは合っているか

意外と見落としがちなのが、椅子やベッドの高さです。

入院で筋力が落ちた状態では、低い椅子から立ち上がるだけでも大きな負担になります。膝や腰に力を入れなくても立ちやすい高さになっているか、座った時に足裏がしっかり床につくかを確認しておくと安心です。

 

つかまれる場所があるか

退院直後は、短い距離でもふらつくことがあります。ベッドからトイレ、リビングから食卓など、よく歩く場所に「ちょっと手を添えられる場所」があるだけでも安心感は変わります。手すりが難しい場合でも、安定した家具を手がかりとして活用できることがあります。

 

床の障害物をなくす

転倒の原因になりやすいのが、家の中の小さな障害物です。

めくれたカーペット、電源コード、スリッパ、段差などは、入院前は気にならなかったとしても、退院後の身体には大きなリスクになることがあります。まずは“つまずきやすいものを減らす”ことを意識してみましょう。

 

トイレ・浴室までの動線を確認する

「歩けるから大丈夫」と思っていても、トイレまでの距離が長いと疲れやすくなることがあります。途中で休める椅子があるか、夜間でも安全に移動できるかも大切なポイントです。また、普段2階で生活していた方は、退院後しばらくは1階中心の生活を検討するのも選択肢のひとつです。

 

立ち上がりやすい椅子・テーブルの選び方

退院後、意外と負担になりやすいのが、「椅子から立ち上がる」「座った姿勢を保つ」といった日常動作です。退院直後は、立ち上がりや座った姿勢の維持が負担になることがあります。だからこそ、座る場所の環境を見直すことが大切です。

立ち上がりやすい椅子を選ぶポイント

まず意識したいのが椅子選びです。

・座面が低すぎないこと
低すぎる座面は、立ち上がる際に膝や腰へ大きな負担がかかります。座った時に足裏がしっかり床につき、無理なく力を入れられる高さが理想です。

 ・肘掛けがあること
肘掛けがあると身体を支えやすく、立ち座りの負担軽減につながります。

 ・座面が柔らかすぎないこと
座面が柔らかすぎる椅子は沈み込み、立ち上がりにくくなることがあります。退院直後は、適度な硬さがあり、姿勢を安定して保てるタイプがおすすめです。

 

テーブルは「高さ」と「使いやすさ」がポイント

椅子だけでなく、テーブルとのバランスも大切です。

高さが合わないと前かがみになりやすく、身体への負担につながります。身体に合ったテーブルは姿勢が安定し、食事もしやすくなります。また、退院直後は長時間同じ姿勢を保つことが負担になる場合もあるため、無理なく身体を預けられる椅子との組み合わせも大切なポイントです。

たとえば、TS1テーブルのように安定感があり、使いやすさに配慮されたテーブルは、毎日の食事や団らんの時間を心地よく支えてくれます。毎日使う場所だからこそ、「座りやすい」「立ちやすい」「使いやすい」という視点で整えておくと、退院後の暮らしがぐっとラクになります。

 

家具の配置を工夫して、移動の不安を減らす

退院直後は、「部屋の中を少し歩くだけでも不安」という方も少なくありません。そんなときは、家具の配置を少し工夫するだけでも歩きやすさが変わります。たとえば、移動経路の途中に安定した家具を配置すると、「何かあった時につかまれる」という安心感につながります。

ただし、家具が多すぎると通路が狭くなり、逆に危険になることも。人がすれ違えるくらいの通路幅を確保し、歩く動線をできるだけシンプルにすることが大切です。また、トイレまで距離がある場合などは、途中に一度腰掛けられる椅子を置いておくと、疲れた時に無理をせず休憩できます。

 

退院直後の「食事環境」を整えることも大切

退院後は、身体の状況が変化した場合、「椅子に座る」「身体の向きを変える」といったダイニングでの食事動作が負担になることがあります。そういった負担の軽減には、「回転チェア」がおすすめです。Care-111-RACのような回転式チェアは、身体を大きくひねらなくても向きを変えられるため、座る・立つ動作をスムーズに行いやすくなります。

また、退院直後は食べこぼしが増えることもあるため、テーブルの手入れのしやすさも意識したいポイント。防水性・耐汚染性に優れたテーブルなら、水分や汚れもさっと拭き取りやすく、毎日の負担を軽減してくれます。

食事は栄養をとるだけでなく、楽しみの時間でもあります。安心して座れる環境を整えることは、毎日の意欲にもつながっていきます。

 

安心して「おかえり」を迎えるために

高齢の家族の退院はうれしい反面、「家で安全に過ごせるだろうか」と心配になるものです。ですが、退院前に住環境を少し見直しておくだけでも、暮らしやすさは大きく変わります。

椅子・テーブルの高さ、移動しやすい動線、つかまれる場所、食事環境など、見直すポイントは色々ありますが、すべてを完璧に整える必要はありません。まずは「今の身体に合っているか」を意識して、小さな準備から始めてみましょう。