長時間座っても疲れにくい!高齢者におすすめの姿勢改善アイテム
高齢になり足腰の力が弱くなると、座って過ごす時間が増えるでしょう。しかし、座ることにも体力は必要であるため、体力が低下し姿勢を保持することが難しい方には、快適に座れる環境を整える必要があります。
高齢者向けの椅子は色々と販売されていますが、さらに必要に応じて姿勢をサポートし、疲れを軽減するアイテムを活用することで、負担を少なくすることが可能です。今回は、長時間座っても疲れにくい、姿勢をサポートしてくれる便利なアイテムをご紹介します。
腰をサポートするクッション
若い人でも、長時間のデスクワークや運転などで、腰の痛みを感じる方は多いです。腰をサポートするクッションは、姿勢の崩れを防ぎ負担の少ない状態で座り心地をよくするためのもので、高齢者が座る時にも役立ちます。
ランバーサポート
ランバーサポートは、椅子の背もたれに取り付けて、腰と背もたれに生じる隙間を埋め、理想的な姿勢を保ちやすくするためのアイテムです。人間の背骨は、緩やかなS字カーブになっているのが理想とされており、ランバーサポートは自然にそのような理想的な状態で座りやすくしてくれます。
ランバーサポートを使う際は、背骨のへこんでいる部分にうまくあてがうよう、位置を調節するのがポイントです。適切な位置に当てることができれば、体や腰の疲労感を少なくできる可能性があります。 特に、長時間座っていると腰が痛くなる人や、慢性的な腰痛に悩んでいる人にぴったりなアイテムと言えるでしょう。
シートクッション
シートクッションには、座布団のようにお尻に敷くタイプや、先ほどのランバーサポートのように腰にあてがうタイプなどがあり、サポートしたい部位に合う形状のものを選びます。お尻に敷くタイプは、お尻にかかる圧力を分散させて腰にかかる負担を少なくするという効果が期待できます。椅子の座面にさっと敷くだけなので、気軽に使いやすいのもメリットです。
ゲル素材のクッションは 弾力性があり、格子状のものが多いため蒸れにくいという特徴があります。体圧を分散しつつ、正しい姿勢を保つための弾力性は兼ね備えているため、疲れにくいとされています。
低反発フォームのシートクッションは、お尻の形状に合わせてほどよく沈み包み、体圧を分散しながら正しい姿勢を保持するのに役立ちます。ウレタンフォームという素材が使われており、ほどよい弾力があるのが特徴です。
骨盤をサポートするクッション
座る際の骨盤の位置は、疲れにくさを考えるうえでとても重要です。骨盤が後ろに傾きすぎると猫背を招き、腰痛につながりやすくなります。また、骨盤の歪んだ状態で長く座り続けると、内臓への圧迫や筋肉のこわばりなど、健康面への影響が起こりやすくなるでしょう。
骨盤サポートクッションは、主に背面一体型のものと座布団タイプのものがあります。背面一体型のものは、骨盤の前後左右ともに傾きにくくなるようサポートしてくれます。 すぐに腰が曲がってしまう方や、腰痛を抱えがちな方、腰をしっかり支えたい方におすすめです。
座布団型のものは、骨盤を左右から適度に包むような形状のものが多いです。産後の妊婦さんにもよく使われるタイプで、骨盤の開きが気になる方によく選ばれます。 ドーナツのような円形のものは、お尻が痛かったり痔の痛みを抱えていたりする方にも使いやすいでしょう。
足をサポートするアイテム
座っている姿勢が安定するかどうかは、足の角度や位置も関係してきます。フットレストは、座っている時に足を快適な位置で固定できる便利なアイテムです。 座るときは、膝の角度は90度、足の裏がしっかりと床につく状態が理想です。
もし、座面が高く足がブラブラしてしまう状態だと、足首やふくらはぎの筋肉が緊張したり、バランスを保ちにくく変な力が入ったりして、疲れやすくなります。小柄な方の場合、一般的に販売されているダイニングチェアなどが体格に合わず、足の裏が浮いてしまうことがあります。フットレストがあると、疲労感が少なくなり、姿勢も保ちやすいでしょう。
※Care-311-WC
姿勢をサポートする椅子
椅子そのものの機能として、姿勢をサポートできるものもあります。高齢者専用の椅子を購入したいという場合には、以下のようなタイプも検討してみてはいかがでしょうか。
姿勢サポートチェア
高齢者の体の特徴をよく理解して、快適に座れるように背もたれや座面、肘おきなどが設計されている椅子のことを指します。座るとお尻が痛くなる方、すぐに疲れてしまう方、寝たきりを防止したい方などにぴったりな椅子と言えるでしょう。
背もたれの角度調整が可能な椅子
同じ姿勢を長く続けることが辛いという方は、背もたれの角度が簡単に調整できる椅子も良いでしょう。リラックスしたい時は背もたれを倒す、読書やテレビ、会話などを楽しみたい時は起こすなどしながら、時おり姿勢を変えることで疲れにくくなる可能性があります。
※Care-409-SAC
椅子に座った時の姿勢に着目して体に合ったアイテムを
高齢になると、痛い部位や動かしにくい部位が発生しやすく、その程度も人によって違います。椅子での姿勢が楽に行えるかどうかは、その人の体の特徴をよく理解してサポートアイテムを活用する必要があるでしょう。
「もっと楽に座らせてあげたいな」と思ったら、まずは日頃の座る姿勢をよく観察して、必要に応じて介護のプロの意見も聞きながら選ばれることをおすすめします。