高齢の方のいる住まいで冬場に注意したいポイント

寒くなると、夏場とは違う部分で高齢者の健康リスクを考える必要が出てきます。特に、冷えによる体調不良やヒートショックには注意が必要です。高齢者が、家の中で快適に、そして元気に過ごすために、どのような点に注意すれば良いのかご紹介します。

 

古い家は寒い可能性が高い

 家の断熱性の基準は、今と昔とでは違います。現代に新しく建てられる家の断熱性の基準は昔よりも高くなっており、それだけ外の気温の影響を受けにくい住まいとなっているのに対し、昭和55年以前に建てられた家の断熱性は低くなっていることをご存じですか?

 

高齢者の持ち家率はとても高いですが、それらの住宅の約半数は築40年以上、つまり昭和55年以前の基準で建てられた家であり、断熱性も今とは違う低い基準となっていたため寒さの影響を受けやすくなっています。

 

さらに、高齢者の場合、自身の健康への関心は高くても、住宅に対する関心は低い傾向にあり、家の寒さがもたらす健康のリスクについてはあまり意識されていないケースも珍しくありません。

 

寒い家が健康面にどう影響するのか

高齢者

 室温が18℃以下になると、循環器系や呼吸器系の病気、低体温症のリスクが高まると言われています。そのため、冬場の季節の室温は18℃以上を保つことが肝心です。具体的に、寒い家がもたらす健康へのリスクとして、どのようなことが考えられるのか見てみましょう。

 

高血圧になりやすくなる

 高血圧は、心臓や血管の病気にもかかわるかもしれない、生活習慣病の1つです。寒い家、特に足元が寒い家は高血圧になるリスクが高まるとも言われており、足元の冷えやすきま風の防止、部屋の内外の過度な温度差などに注意する必要があります。

 

低体温症のリスクにつながる

 低体温症は、登山などでしか起こらないと思われるかもしれませんが、実は冬の室内でも起こります。低体温症は、直腸の温度が35℃以下になった状態を指し、症状が進むと呼吸停止や致死性の不整脈を招くこともある、命にかかわる問題です。前兆として、思考力の低下や身体の震え、動作の緩慢さが見られることがありますが、高齢になると日頃の様子と前兆として見られる症状の区別がつきにくくなり、発見が遅れることもあります

 

膝や腰などの関節が痛む

 若い人でも、寒い時期は肩や腰などが痛くなりやすいという方が多いでしょう。もともと、関節が痛む人は、既に関節の周囲にある軟骨や脂肪、筋肉といった軟部組織が炎症を起こしていて、冷えにより血流が悪くなると痛みが増します。少しくらいなら我慢できていた程度の痛みも、冷えによって感じやすくなるようです。

 

ヒートショックを起こしやすくなる

 高齢者によくある冬場のリスクとして、ヒートショックは特に注意が必要です。ヒートショックとは、温かい部屋から寒い部屋へと移動した際、急激な温度変化によって血圧が上下し、体に大きな負担を与えることを指します。それが心臓に負担をかけて、心筋梗塞や脳梗塞等を起こしてしまうことを指します。ヒートショックによる急死は決して珍しくありません。夜のトイレや入浴時に、ヒートショックで命を落とす人は多いです

 

脱水症を起こしやすくなる

 脱水症は、夏場だけに起こるものではありません。冬場は、暖房をつけることで空気が乾燥しやすい一方で、汗をかかないため水分補給への注意が薄くなります。電気毛布やこたつなどで実際は体の水分が奪われているにもかかわらず、水分をとることに意識が向きにくくなるのです。

 

簡単にできる!高齢者のための冬場の寒さ対策

エアコン

高齢の方がいる住まいでは、冬場の寒さ対策が必要となる場合が多いです。大がかりな工事を必要としない方法で、自分たちで出来る対策だけでも行いたい方は、これからご紹介する内容をぜひ参考にしてみてください。

 

温度と湿度の両方を高くする

 室温は、最低でも18℃以上に保つようにしましょう。そして、湿度は50%くらいが理想的です。湿度が低いと、体感温度は低くなります。冬はとても乾燥しやすいため、加湿ができるアイテムを置いて対策しましょう。

 

窓の防寒対策をする

 窓の断熱は、非常に重要なポイントです。断熱カーテンを使用したり、断熱シートを貼ったりするなどして対策すると、窓からの冷気を防いでくれます。たてつけの問題ですきま風が入る場合は、隙間を埋めるテープを活用するのも良いでしょう。また、プラ段を使って二重窓のようにするなど、簡単なDIYで断熱効果を高めるのもおすすめです。

 

足元をあたためる

 暖かい空気は上にたまります。そのため、どうしても足元が冷えやすくなるのは自然なことです。最近のエアコンは、足元が冷えないよう考えられた機能もついているため、思いきって買い替えてみるのも一策です。その他には、ホットカーペットやヒーターなどで温めるのも良いでしょう。厚手のカーペットやラグも、床からの冷えを和らげてくれるアイテムですが、高齢者の住まいでは転倒リスクを高める要因にもなります。取り入れる際は、安全面に気を付けて、足がひっかかりにくいもの・滑りにくいものを選びましょう

 

小型の暖房機器を使う

 トイレや脱衣場など、ヒートショックが起こりやすい場所は、とにかく気温差が少なくなるよう対策する必要があります。小型の暖房機器を使って、できるだけ寒暖差が少なくなるようにしましょう。

 

高齢の方が寒い時期も快適に過ごせる工夫をしよう

暖房器具 

寒い家は、高齢の方にとってさまざまなリスクがあります。できるだけ家の中で快適に過ごせるようにしておくと、ベッドやこたつに入ったままになって足腰が弱るリスクも少なくなるでしょう。あわせて、保温機能つきのインナーを着用すると、あたたかさを感じやすくなるかもしれません。本格的な冬を迎える前に、対策をしてみてはいかがでしょうか。