自宅での介護に不安がある…困ったときはどうすれば良い?

人はみな平等に年を重ね、やがて老いていきます。いつか介護が必要になる時がくるかもしれません。先の見えない未来に不安を感じたり、今直面している介護の問題に頭を悩ませていたり、人によって状況はさまざまでしょう。しかし、介護に関する心配ごとは1人で解決するものではありません。困った時は、相談でき介護の肩代わりをしてくれる体制が整っているため安心してください。ここでは、介護に不安を感じる人がどのように対処すれば良いのか、いくつかの状況に分けてご紹介していきます。

今はまだ介護の必要がないけれど将来が不安な場合

親や配偶者など身近な人の介護が必要になった時、自分の生活はどのように変わるのだろうと漠然とした不安を感じている方はたくさんいます。心構えをしておきたくても、いざその状況にならないと分からないことは多いですよね。

まずは、介護に関する困り事が起こったとき、どこに相談するのかを把握しておきましょう。実は、介護に関する相談窓口はあなたの近くにたくさんあります。

  • 市町村役場の福祉課・介護保険課
  • 地域包括支援センター(介護予防支援・必要なサービスや制度の紹介)
  • 在宅介護支援センター(高齢者の在宅介護に関する相談・情報提供・総合調整)
  • お近くの高齢者福祉施設
  • 居宅介護支援事業所

など

この機会に、これらの相談窓口がどこにあるのか知っておきましょう。市町村役場には、こうした相談窓口が記載されたパンレットが置かれていますので、立ち寄って入手しておくか、ホームページから確認しておくと安心です。

そして、落ち着いて話ができる時間をつくり、家族と一緒に老後についての話をしておきましょう。介護が必要になったらどうしたいのか、どのような生活を送りたいのかを話し合うことは、とても大事です。

知らないことを調べることが好きな方は、介護保険の仕組みやサービスの内容について、把握しておくのもおすすめです。とはいえ、複雑な部分もあるため、おおまかな内容だけでも理解しておくと慌てずにすむでしょう。

離れて暮らす親の介護が心配な場合

核家族化がすすみ、親と離れて暮らしている方は、「大丈夫かな」といつも心配しているかもしれませんね。親が要介護状態になると、その不安はさらに大きくなるでしょう。

親の介護のために実家に移り住むべきか迷う方も多いです。しかし実際は、そう簡単に決断できるものでもありません。仕事はどうするのか、自分以外の家族はどう思うのか、築いてきた人間関係や習慣と離れてしまって良いのかなど、多くの問題もあるでしょう。

既に親が要介護状態で介護保険制度を活用している状態なら、ほとんどの場合担当のケアマネジャーがついているはずです。大きな決断をする前に、ケアマネジャーに相談してみるのも1つの方法です。意外と、「家族が行わなければならない」と思っていたことが、公的なサービスでカバーできることは多いです。

大事なのは、家族しか行うことのできない支援がどのくらいあって、自分はどれくらい協力できるのかを明確にすることです。これが整理できると、気持ちもだいぶ軽くなるでしょう。

 

 

現在、介護をしていて不安だらけで困っている場合

介護をしていると、体力的な不安や精神的な不安、生活の不安、経済的な不安など、色々と悩みが生じてくることもあるでしょう。悩みの種類や内容によって、誰に相談すべきかは変わってくるかもしれませんが、自分ひとりですべての介護を抱えてしまっている場合は要注意です。介護保険の申請をしていない方は、早めに先ほどご紹介した相談窓口へ足を運び相談されることをおすすめします。

既に介護保険サービスを活用しながら生活をしている方の場合は、担当のケアマネジャーが中心となってさまざまな悩みに対してアドバイスをしてくれるはずです。恥ずかしいと思われるかもしれませんが、ケアマネジャーは色々な人をサポートし豊富な知識や経験をしてきたプロです。守秘義務もあるため、安心して相談してください。

時には、同じように自宅で介護をしている人同士で関わることも、不安の解消につながることがあります。「家族の会」や「認知症カフェ」など、仲間同士で集まれる場に出掛けるのもおすすめです。どのような場が設けられているのかは、ケアマネジャーや役場の窓口に問い合わせると教えてもらえます。

自分自身が要介護状態になった時を考えると不安な場合

家族や親族に、老後についてどうしたいのか、介護が必要になった時にどう暮らしたいのかを話しておきましょう。「こういうネガティブな話は、できれば避けたい」と思われるかもしれません。しかし実際は、あなた自身が意志疎通が難しくなった時、大事な決断を家族に押し付けずに済むというメリットがあります。

こういう話は、シニア世代だけがするべき話とは限りません。若い世代の人も、万が一の事態を想定して、大事な人と意向を共有しておくことは尊厳を守ることにもつながります。

そして、介護予防の観点から生活習慣を見直し、できるだけ長く元気に生活ができるように心がけましょう。

介護の悩みは1人で抱える必要はない

介護に関する不安は、1人で抱えてはいけません。日本では、介護に関するサポート体制はしっかり整っており、これまで数えきれないほど多くの方が支援を受けて生活をしてきました。在宅介護の要は、支える家族が心身ともに健康でいることです。不安に押し潰されてしまわないように、相談できる機関を積極的に活用しましょう。