在宅介護の場合どんなサービスがうけられるの?

介護が必要になると、自分一人では身の回りのことや家事などが難しくなり、誰かのサポートや便利なサービスを使いながら生活をしていくこととなります。今は、公的な介護サービスがとても充実していて、こうしたサービスを積極的に活用しながら要介護者もできるだけ住み慣れた地域で生活をしていく時代です。家族の介護だけに頼りきらずに、介護サービスを活用していきましょう。ここでは、在宅介護の必要な方が受けられる介護保険上の介護サービスの種類をご紹介します。

 

在宅介護サービスを大別すると

まずは、イメージしやすい言葉で、在宅介護サービスの種類を大まかに説明します。在宅介護で受けられるサービスは、大きく分けて以下の通りです。

  1. 施設や事業所に「通う」サービス
  2. 施設や事業所に「少し泊まる」サービス
  3. 介護やリハビリ、看護、家事のサポートに「来てもらう」サービス
  4. 生活がしやすい便利な「道具の購入やレンタル」のサービス
  5. 以上の4つを融合したサービス

分かりやすい言葉で表すと以上のようなサービスが、お住まいの地域周辺にあるでしょう。より細かなサービスの内容については、以下でご紹介します。

「通う」サービスの種類と特徴

まずは、家から「通う」サービスの種類と簡単な特徴を見ていきましょう。

  • 通所介護(デイサービス)

よく知られているサービスですね。日帰りで利用できるサービスで、入浴やお食事、レクリエーション、利用中に必要な介護などを受けることができます。日中を外出して活動的に過ごすことは、規則的な生活を維持したり、他者と関わったり、介護を頑張る家族の一休みとなったりと、さまざまな効果があります。

  • 通所リハビリテーション(デイケア)

理学療法士などのリハビリ専門職や医師が配置されている施設に通って、リハビリや入浴、食事、レクリエーション、利用中に必要な介護などを受けられるサービスです。理学療法士などのリハビリ専門職や医師が配置されている施設に通って、リハビリや入浴、食事、レクリエーション、利用中に必要な介護などを受けられるサービスです。機能訓練等のリハビリが必要な方や、医学的な管理が必要な方を中心に利用されています。

  • 認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)

認知症の診断を受けた方限定で利用できるデイサービスです。認知症の方々が落ち着きやすい雰囲気で、認知症ケアに特化した介護が受けられます。

「少し泊まる」サービスの種類と特徴

長期的に施設に入所するのではなく、数日単位で「少し泊まる」サービスもあります。介護をしている家族が旅行や出張、冠婚葬祭等で不在になる間や、家族の介護疲れによるストレスの軽減などに役立てることができます。

  • 短期入所生活介護(ショートステイ)

特別養護老人ホームを中心に、短期間宿泊できるサービスです。ショートステイ中に必要な身の回りのお世話は施設のスタッフが行います。

  • 短期入所療養介護(ショートステイ)

介護老人保健施設や療養病床のある病院等で短期間宿泊する場合は、短期入所療養介護となります。身の回りのお世話を受けながら、リハビリ専門職の専門的なリハビリを受けることも可能です。医療面でのサポートも厚めなので、病気の管理が不安な人も利用しやすくなっています。身の回りのお世話を受けながら、リハビリ専門職の専門的なリハビリを受けることも可能です。医療面でのサポートも厚めなので、病気の管理が不安な人も利用しやすくなっています。

「来てもらう」サービスの種類と特徴

在宅に来てもらうサービスは、多くの方がイメージしやすいのではないでしょうか。「来てもらう」サービスの種類はとても豊富なため、特によく使われているものを中心にご紹介します。

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)

ヘルパーが自宅に来て、入浴や排泄、着替えなどのサポートをしたり、買い物や調理、掃除といった家事を手伝ってくれます。いわゆる「家政婦さん」とは全く別のもので、実は頼める仕事の範囲が厳密に定められているのが特徴。要介護者以外のサポートはできない決まりとなっており、例えば家族の分の洗濯や料理などは頼めません。

  • 訪問看護

看護師が自宅に来て、医師の指示に基づいた処置や診断の補助、健康チェックなどを行ってくれます。看護師が自宅に来て、医師の指示に基づいた処置や診断の補助、健康チェックなどを行ってくれます。具体的に言うと、傷の治療をしている方の処置や、膀胱カテーテルの管理、看取りのサポート、食事や栄養の指導、口腔ケアなどがあげられます。

  • 訪問入浴介護

看護師や介護士が、自宅に来て入浴のサポートをしてくれます。専用の浴槽と給湯器を持参されるため、自宅のお風呂に入る必要はありません。

  • 居宅療養管理指導

医師や歯科医師、薬剤師、栄養士などが医学的な栄養管理と指導を行ってくれるサービスです。生活習慣病などで栄養面の不安がある方を中心に活用されています。

「道具の購入やレンタル」のサービスの種類と特徴

日常生活に便利な道具を活用すると、生活の中での安全性が増したり、出来ることが増えたりします。

  • 福祉用具レンタル

車イスや歩行器、杖、ベッドなどを安価にレンタルできるサービスです。これらの用具をすべて購入すれば高額な費用が発生することもありますが、レンタルなら月々数百円など少額で利用することが可能。状態の変化に応じて適切なものを使えるというメリットもあります。

  • 福祉用具購入

ポータブルトイレや浴槽用椅子など、レンタルにはふさわしくない用具を介護保険で安価に購入できるサービスです。

  • 住宅改修

自宅での段差を解消したり、畳の部屋をフローリングにしたり、手すりを取り付けたりして、家の中での生活が安全に過ごせるためのリフォーム費用が、介護保険を使うと上限20万円まで支給されます。

「通う」「泊まる」「来てもらう」が一体型になったサービス

柔軟に、通う・泊まる・来てもらうのサービスを1つの事業所で完結させることができるのが、「小規模多機能型居宅介護」です。このサービスを受け始めると、臨機応変にサポートが受けられるというメリットがありますが、先程ご紹介したサービスの一部は使えなくなります。

いつも携わってくれる顔なじみの関係が出来上がったスタッフが、通いや泊まり、訪問で総合的にサポートしてくれる点が大きな魅力です。利用者の数には制限があるため、大規模な施設が苦手な方にもぴったりですね。

一人暮らしでも介護保険のサービスで自宅生活を送る人はたくさんいる

今回は、介護保険制度に位置付けられているサービスをご紹介しました。自宅で生活をしている要介護者が受けられるサービスは非常に多岐にわたります。これらのサービスを上手に組み合わせて、一人暮らしをしている方もたくさんいらっしゃいます。同居家族の有無に関わらず、プロの支援を受けることでより生活は楽になり、充実しやすいのではないでしょうか。介護を家族がすべて担うのは、あまりおすすめではありません。家族全員が健康に過ごすためにも、積極的にサービスを活用しましょう。