木ってすごい! 木製家具がもたらす良い影響とは?
家具を選ぶ時、何を基準に考えるかは人それぞれのこだわりがあるでしょう。長く使い続ける家具を選びたい場合や、人を癒してくれる家具を見つけたい場合は、木製の家具がおすすめです。特に、高齢者のいる家庭では、木製家具がもたらすメリットをより強く感じるかもしれません。今回は、木製家具を選ぶメリットについてご紹介します。
木ならではの温もりが与えてくれる効果
木製家具を見たり触ったりすると、なぜか心が落ち着くと感じたことはありませんか?これは、木の見た目や香り、材質のもつ特徴などが関係していると考えられており、実際に人の生活にどのような影響を与えるのか研究もされています。
木の香りによる癒し
木材には、独特の香りがありますよね。森林浴に行った時、思いきり深呼吸をした時の空気や香りは、日常ではあまり感じることのない安らぎをもたらしてくれます。これは、木から放出される「フィトンチッド」と呼ばれる物質が関係しており、この匂いはストレスの緩和やリラックスにつながると言われています。
他にも、例えばスギの木から香る匂いには、血圧の低下やストレスの抑制につながる可能性があるという報告もあります。アロマテラピーが心身に影響することは、知っている方も多いでしょう。アロマには木の香りも多く取り入れられていることを考えると、木製家具による良い効果も期待できるといえます。
木目の美しさから得られる癒し
木製家具は、樹木の年輪が良いアクセントとなり、見た目にも美しいですよね。この木目は、人工的に作られたものではなく自然界で生み出されるものです。
一見、あまり人への影響はないと思われがちですが、木目は小川のせせらぎや星のきらめき、人間の心拍の音などで見られる「1/fのゆらぎ」が生じており、人の感覚を心地よく刺激し癒してくれるとされています。
木材量が増えることで睡眠の向上にも
室内の木材使用量が増えると、より人はリラックスしやすく睡眠時間も長くなる傾向があるとされています。睡眠時間や睡眠の質に関しては、実際に自分の体でその効果をはかりやすい部分であり、メリットを感じやすいポイントと言えます。よく休むことができれば疲労回復効果が高まり、仕事や日々の暮らしがより活発に行えるかもしれません。
心地よい触り心地
木製家具は、視覚や嗅覚からのメリットだけでなく、触った時の心地よさも重要なポイントです。木を触った時に冷たすぎずなぜか温もりを感じるのは、熱を伝えにくいという性質が関係しています。冬場に無垢材の床を素足で歩いても冷たく感じにくかったり、夏場に足裏があつくて不快に感じにくかったりするのは、熱を伝えにくいという性質のおかげです。
家具についても、優しく触れたくなるような木製のものなら、一年を通じてストレスなく使えそうですね。木製家具は、五感を通じて癒しの効果があると言えるのです。
癒し効果だけではない、木製家具の実用性の高さ
木製家具は、実用性の高さも魅力です。その特徴が、間接的に人の暮らしを助けることもあります。
無垢材を使った家屋は、非無垢材の家屋に比べて相対湿度が低くなるとされています。つまり、湿度が高い時は木が湿気を吸収してくれるということです。夏の蒸し暑さを少しでも緩和するために、木のもつ役割はとても大きいことが分かります。
また、音を適度に吸収する効果や紫外線の吸収により反射が少なくなるなどのメリットもあるとされており、人が快適に暮らすために役立つ特徴を多く兼ね備えているのです。
さらに、木製家具は経年変化を楽しみながら長く使える耐久性もあり、そう簡単には破損しないのも特徴です。
高齢者や子どものいる環境で木製のものが多く用いられている
高齢者の暮らす施設や保育所等の子どもが集まる施設では、木材を積極的に用いているところも少なくありません。これは、先にご紹介した健康面や実用性でのメリットを考慮した結果だと考えられます。
さらに、木の精油の殺菌作用や調湿効果に伴うダニの減少など、集団生活を行う場では必須とも言える衛生管理に役立つ効果も期待されており、実際に木材が多く使われている施設のお年寄りの方が感染症の割合や怪我、不眠等の課題が少ない傾向にあったとの研究報告もあります。
木製家具を取り入れてリラックスできる空間へ
木製家具は、一般的な日本の家屋にマッチしやすく、統一感のあるおしゃれな空間づくりにも役立ちます。他の素材の安価な家具に比べると、木製家具は多少値は張るかもしれませんが、長く使い続けやすいことや飽きにくいこと、健康面に良い効果が期待できることなどを考えると、十分な価値があると感じてもらえるのではないでしょうか。
インテリアを見直して、より落ち着ける空間をつくりたい人や、家で過ごす時間の長い高齢の方の部屋づくりを行いたい人は、ぜひ木製家具を検討してみましょう。